ざか

レミニセンスのざかのレビュー・感想・評価

レミニセンス(2021年製作の映画)
3.5
悪くはなかったです。

陸地を所有する地主と海面上昇による浸水に脅かされる人々に分かれた世界で、幸せな記憶を思い出させる装置を提供するニック(ヒュー・ジャックマン)。
現実世界の圧倒的な理不尽に対して、過去の記憶に浸ったり薬物に依存したりアルコールに溺れたり…と、現実を諦める手段が栄えてしまった世界のお話です。

記憶を売る(提供する)という意味ではトータルリコールに似ていますが本作はあくまでもその人の過去を映す点が異なっています。

俳優陣や世界観はとても素晴らしく面白かったのですが、ストーリーはもう少し深く作れたんじゃないかと思います。

序盤に散らばった謎を後半回収していくのですが、綺麗に物語を畳み過ぎていると感じました。
特に1点を挙げると、全体的に説得力に欠けています。ニックがメイを追いかける理由も、ミステリアスなメイの行動も、見ていて「どうして?」と思ってしまいます。
あの人が好きだからお金が欲しいからという理由それだけで、その人の何に惹かれたのか何故お金がいるのかというきっかけが薄くて、悪く言えば物語を進めるためにキャラクターが決められた行動をしている様に感じます。

ただ、面白く楽しめるお話だっただけに「もうちょっと欲しかった」という気持ちは芽生えてしまいますが、全体的には悪くない映画でした。
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