名無しののんべぇ

レミニセンスの名無しののんべぇのネタバレレビュー・内容・結末

レミニセンス(2021年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

過去の記憶を遡って映像として観察できるレミニセンスを使った、時空を超えたミステリー。

突然自分の前に現れた謎の女性に隠された秘密を暴くことがこの作品のメインイベントであるが、その行動に至った動機が浅すぎる気がする。そもそも全く面識のなかった状態からメイを贔屓にしていたのは、見た限り容姿が美しかったからというだけ。そこからメイが消え、その謎を明かす理由も数日前に知り合った恋人を無くしたくないからというのはあまりにも話が飛躍している気がしてならなかった。恋は日数じゃないと言われればそうかもしれないが、それにしても命をかけて捜索する動機としては浅い。記憶を辿ってみたら実は2人の間に深い関係性があったとかなら納得できたのだけど。

ラストに関して、2人は記憶の中で永遠に愛し合い、エミリーは現実の生活を生きることに決めたオチ。2人の結末が劇中の「ハッピーエンド」にあたるのか、「ハッピーな物語に訪れる悲惨な結末」にあたるのかは受け手に任せているようだが、どちらにせよ「ハッピー」であることに納得がいかない。話のまとめ方としてはむしろ好きなんだけど、やはりメイという人間が、ニックが自分の命を投げ打ってまで一緒にいたいと思わせる人物であるという描写とニックの行動の動機が作中に無すぎる。そのオチにするならニックがメイに捧げようと思ったきっかけの部分をはっきりさせてほしいなと感じた。