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SNS-少女たちの10日間-のあのレビュー・感想・評価

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)
3.0
自分たちが普段生活している世界に同居する歪んだコミュニティー。
自分の子供が、友人が、知り合いが、被害を受けていたら。友人だと思って信頼していた人、職場の仲間、そして家族が加害していたら。
どちらの想像も恐怖でしかない。

センシティブな内容だからこそ、バランスを取ってのこの演出なのかは分からないが、
上映時間の大半を占めるモザイクの中にいる側の人々に、自分の行動によって無知な子供や若者が傷つく苦しみと、自分自身の社会的地位が崩壊する可能性まで想像してもらいたいという狙いに適切だとは思えなかった。

警察へ情報提供し正当な措置がとられる過程を映すのではなく、男性の自宅へ出向き、出演者共々囲んで吊し上げるというようなエンタメ的演出も疑問であるし、感覚が麻痺した俳優が連絡してきた青年の当たり前な受け答えに対して感動するシーンを入れている意図も共感できなかった。
(性的加害をしていなくとも10代前半の女の子に通話しようと連絡を取っている時点で疑念を抱く人が多いのでは。注意喚起のためのパトロール?)男性たちと対面する段階で俳優が本物の性的虐待者に対峙したことで役が抜けてしまい、一人の社会人として激怒するシーンは、体当たりな作品作りがリアルに映し出されていた。

この作品はエンタメとしてではなく1つのノンフィクションのドキュメンタリー作品として鑑賞したので、見せ場や構成の面白みは求めていない。
あ