西東京

Ladybug Ladybug(原題)の西東京のレビュー・感想・評価

Ladybug Ladybug(原題)(1963年製作の映画)
5.0
核爆弾のアラームが小学校で作動、誤作動かどうか分からないまま緊急下校する女性教師と子供たちの話。
人のいない田舎道を列を作って歩く子供たちの姿に不穏さが漂い、寓話的でありつつ眩暈がするほどショッキング。もはや核が落とされた後のような雰囲気すらあり、背景に吹く風と揺れる木々も怖い。顔のインパクトが強烈で、どの子供も真に迫った表情を見せる。

地下に逃げ込みたいと母に懇願し、ペットの金魚と共にベッドの下に隠れて泣くジョアン、おばあちゃんにゲームと言って地下に隠れる男の子の切実さに泣いた。そして来るかどうか分からない土曜に約束する男女のロマンス。どんな反戦メッセージよりも痛みが真摯に伝わる。
映画を見ていて自分が子供の頃にあった不安な気持ちを色々と思い出した。大人になると感情は表に出さないようになるけど、恐怖心ということでは大人も子供も変わらないということが子供の目線で描かれることで浮き彫りになってる。
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