父の口から語られるシゲちゃんの母親の話が急に断絶され、シゲちゃんが海に向かって「みんな元気か〜？」と叫ぶ、露骨に作為的なカットの繋ぎ方で、何か頭の中がぼーっと熱くなって、そのあとシゲちゃんがモジモジしながら恥じらいながら叫ぶ様子に自然と号泣した。劇場では爆笑が起こっていて、うるさい笑うなって思ったけど、みんなの感情のピークがそこにあったんだと思う。
声の低い男が「いいシゲちゃん」と「悪いシゲちゃん」の話をしていたけど、そんなのは勝手に健常だと思ってる側の人間の世界の中だけでしか適用されなくて、障害者と呼ばれる人たちが本当にいるべきユートピアの風景はアートを通じてしか垣間見れない。だから、勝手に想像して泣いたり笑ったりするしかないね。
