ぶみ

シルクロード.com ―史上最大の闇サイト―のぶみのレビュー・感想・評価

3.5
ティラー・ラッセル監督、脚本、ジェイソン・クラーク、ニック・ロビンソン等の共演による実話をベースとしたサスペンス。
2013年に摘発された闇サイト「シルクロード」の開発者と、彼を追う捜査官等の姿を描く。
実在の人物となるシルクロード開発者、ロス・ウルブリヒトをロビンソン、捜査官をクラークが演じているほか、ダレル・ブリット=ギブソン、ポール・ウォルター・ハウザー、ジミ・シンプソン、アレクサンドラ・シップ等が登場、とりわけクリント・イーストウッド監督『リチャード・ジュエル』で主演をこなしたハウザーのインパクトは抜群。
物語は、ITの天才ウルブリヒトと、その尻尾を掴もうとする左遷された捜査官との駆け引きを中心に展開していくが、それはまさに、デジタル対アナログの世界。
アナログ捜査官がデジタルの天才をいかに追い詰めていくかが見どころの一つであり、派手さはないものの、それぞれの視点がバランス良く描かれているのに加え、クライマックスの場面を冒頭に見せる時系列や、映像を静止させて視点を切り替える手法は古典的ながら、中々面白いもの。
何より、シルクロードを知らなかった私は、こんな事件があったことを知ることができただけで、観た価値あり。
期待値が低かったせいか、思いのほか楽しめ、IT犯罪の一端を垣間見ることができる一作。

悪人はフードをかぶる。
ぶみ

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