松浦義英

トム・クルーズ-永遠の若さを追求して-の松浦義英のレビュー・感想・評価

4.0
2020.11.26:BS1放送分。

トムクルーズ✕サイエントロジー。

とっても素晴らしいドキュメンタリー。
批判多いみたいけど、悪意の塊だとは思わなかったな俺は。
終わり方はそう見えなくもないけど、それも含めて彼の一部だと言ってるだけで。
『あとは自分でお調べに…』のクリントイーストウッド方式だったからなんとも思わなかった。
ファンならそうはいかないのかなぁ…。
でもそれはキレイな部分にしか目を向けてないだけなんじゃないだろうか?
…ちゃんと正面から人間としての弱い部分を世間に出して、ちゃんと人間の脆い部分にフィーチャーしてたからすごく上質なドキュメンタリーに思えたけれど。
シリーズ化してほしいよなあこういうの。
他の俳優でも見たい。
(日本じゃ絶対作れない、フランスらしい、芸術国家らしい映像作品だよね)
…人間、二面性は当然ありますよ。
でもサウスパークを見ていたおかげで、
「よーボウズ共!」ってトムクルーズも言われてたのかなって思うとほっこりした←

ドリアングレイ知らなかったけど、めっちゃ面白そうで観てみたい。
…キューブリックと組んだ『アイズワイドシャット』のことを怪しい部分から究明するの楽しい。
映画ってね、表からは見えない魅力があるんですよ。
巨匠監督ほどそれがあるから映画はたまらない。
『マグノリア』の話も出てくるけどこれも観たくてたまらない。
トムクルーズってロバートデニーロとは異なる憑依の仕方だよね。
なにあの演技の凄さ。

宗教と俳優の繋がりなんてネームバリューを利用したいよねそりゃね。
日本じゃ宗教って異質なものって見られがちだけど、信仰という部分じゃなくってその人の力になっていたって部分は評価されて然るべきに思う。
ドップリの広告塔は違和感しかないけどね。
(某日本の政治と癒着した…←)

映画人としてのトムを多角的に見たくって見始めたから戸惑ったけど、
トムクルーズって俳優に見た目で感じていた胡散臭さはここからか…と納得がいった。
このドキュメンタリーを見てから俳優トムクルーズの違和感を取っ払って作品に触れることができた。
トムクルーズによくわからない胡散臭さを感じている人におすすめ。

後半の俳優トムクルーズのクローズアップも「後援が…」とか思ったりしなくもないけど、それにしてもトムがちゃんと映画を楽しんでいるのが画面から伝わってきて映画人であることがわかる。
…でも、映画人としてはトムクルーズにほんの少しやっぱり違和感は残っちゃうよね。
比較対象が俺の場合はクリントイーストウッドだからね(笑)
松浦義英

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