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クレイジーなくらい君に夢中のMOEのレビュー・感想・評価

3.8
【恋愛×メンタルヘルス!! 異色の作品】
スペイン映画は奥が深いものが多く、個人的には大好物だが、今作も”ちょっと一味違う”クセが魅力的な作品だった。
特に、ヒロイン役のカルラを演じたスサナ・アバイトゥアが私のタイプで、凄くキュート。アドリが一目惚れしてしまったのもよく分かる、どこか人を惹きつける不思議な魅力を持った役がとても良かった。

主人公のアドリは、一夜を共にしたカルラを忘れられず、彼女の消息を探すが、実はカルラはメンタルヘルス施設に入居していてた。しかも、居場所を嗅ぎつけたアドリは、精神病患者のふりをして、施設に潜入してしまう、という突拍子もないお話。
カルラを取り巻く個性豊かな入居者たちを含め、全体的にテンポ良く、明るめのタッチで描かれており、微笑ましい面を持つ一方、メンタルヘルス描写が真摯で、精神的な病気がただのエッセンスで終わらないのが今作の良いところ。
患者本人がメンタルヘルスとどう向き合うか、そして周囲の人々がメンタルイルネスと共に生きている人とどう向き合うか、という二つの視点が丁寧に描かれていて、とても好印象だった。
ただのドタバタラブコメディではない、メンタルヘルスを主軸に置いた立派な作品だと思う。

あの終わりの先がとっても気になる。

コメディタッチながら、何だか終始切なさが付き纏っていた。私は好き。

“La próxima vez que vea a alguien triste, no voy a pedirle que sonría.
Ni le voy a prometer que recuperarse está en su mano.
Si de verdad quiero ayudarle lo que haré es hacerle saber que, aunque no sea capaz de entender lo que le pasa, estaré ahí si me necesita.”
アドリ、成長したね。
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