Tomo

パーフェクト・ケアのTomoのレビュー・感想・評価

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)
2.5
「行き過ぎた悪徳介護ビジネス」


父親ら後見人によって財産等不当な管理をされ続けてきたブリトニー・スピアーズの後見人終了の決定を受け、待ってましたとばかりに公開された感ありあり。


最近、逞しく優れた女性の映画が多い。
ELLEのイザベル・ユペールや、女神の見えざる手のジェスカ・チャステインなんかがその代表格だと思うけど、本作のロザムンド・パイクはどうなのかな?

ゴーン・ガールでは怖くて気持ち悪い怪演だったけど、本作がコメディタッチだったのと、髪型がボブ?で若ぶった感(偏見です)であったせいか、いまいち強くて逞しい女性とは思えなかった。


病院と結託し高齢者を要介護者に仕立て上げ、裁判所の許可を得て後見人となりビジネスを展開するマーラ。
その実体は、介護施設に入居させた高齢者から根こそぎ財産を奪う悪女だった。
ある時、身寄りのない資産家のジェニファーに狙いをつけ、いつも通り後見人となって介護施設に入居させる。
しかしながら、ジェニファーの素性にはロシアンマフィアが絡んであり……… といった感じのストーリー。


現代の高齢者に降りかかる問題をテーマとした点では凄くキャッチーだと思う。
ここまでではなくても、実際、後見人にからむ問題はあり過ぎる。日本でも任意後見人となった司法書士が使い込みをして事件になったりと、法を司る者ですらやらかすのだから、親族の後見人が使い込みをすることが多発するのは容易に考えられる。

そして、裁判所の許可。本作では信用のあるマーラが後見人ということであっさりOKしてたが、これは全然不自然じゃないと思った。
だって、日本でも弁護士、司法書士、社保士などであればスムーズに許可降りるし。
だから、逆に言うと法の抜け道なんていくらでもある。それが今の後見人制度の実体で、本作はオーバーであるが芯を喰った作品だと思った。

で、作品はというと、途中までは良かったんだよね。完全に犯罪だろ?っていう大胆なやり口。毅然としたマーラの姿は前述した逞しさが見えた。

あと、ジェニファーの素性が明らかになるあたり。ん、凝ってるねーと思いその後の展開がどうなるのかワクワクして見てた。

けどね、ロシアンマフィアがでてきてから、んー?ってなった。一気にマーラ軍VSマフィアの闘いに突入して、ジェニファーなんか置いてけぼりになってたし。

そして、奴と組むな〜組むな〜と思ってたら、チーン🔚
当然、ラストはああなりますがな笑


なので、中盤から全くティスト変わってしまい、高齢者を取り巻く問題のドラマではないので悪しからず。
Tomo

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