ネギトロ

14歳の栞のネギトロのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.6

存在自体が奇跡的な映画

中二。14歳。
35人のクラスメイト。

クラスの真ん中からはしっこまで、ひとりひとりをまじまじと見つめる。

中学校に行ったことのある人ならば、誰もが自らの記憶の断片とこの映画をつなげられる。
だが重大なのは、記憶とはつながらなかった初めてみる風景。
自分の中学時代に無かった風景、知らなかったクラスメイトが、きっと映っている。
他方、当然ここに映る中学校はまぎれもなく自分のものとは別物で、これは彼らだけの唯一無二の中学校だ。

自分と同じと思って近づけば、まるっきり違うところを突きつけられる、
その感覚は、不安定な14歳の感覚に似ている。
頭空っぽで悩み多き、
生き生きとして死にそう、
刹那で永遠の、あの感覚。
ネギトロ

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