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14歳の栞のヨウのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.4
あの頃の自分の面影が重なり合ってめちゃくちゃ沁みた…

自分たちは何なのか。何をしたいのか。子供なのか大人なのか。今の仲間は好きなのか嫌いなのか。あの人は自分のことをどう思ってるのか。将来はどうなるのか。。
中学生たちが発する些細な悩みが等身大の共感を呼び起こし14歳を通過してきたはずの我々へ改めて大きな問いを投げかける。
中学生なんてガキ、何も考えてない、ただの未熟者、なんて心無い言葉をよく聞くけど、そんなのは全くもって間違い。彼らは彼らなりに一生懸命考えてる。思春期という抗えぬ波に揉まれている。日常に踠き苦しみながらも必死で生きている。5教科のテストのようにはっきりとした答えなんてない。それでも自分の足で進み続けるのだ。
35人の心の声と観客の境涯が共鳴し合うとき、あらゆる感情が堰を切る。。

鑑賞中には全方位的に心を動かされ、鑑賞後は心地良い春の風を感じる。侘しくもあり痛くもあり和やかでもあるこの余韻はまさに唯一無二。ずっと胸に残り続ける大切な体験となった。ドキュメンタリー映画で一番好きかもしれない。

クリープハイプの「栞」が流れるタイミング、完璧すぎて唸った…元々好きだったけど一層思い入れの強い曲へ昇華されたなぁ。


我がレビュー、1300本へ突入。
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