ハラダユウキ

14歳の栞のハラダユウキのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
5.0
走るな 騒ぐな 戦うな
走れ 騒げ 戦え

どっちがいいか、離れたくないみんなで考えてこう。

儚さという言葉を14歳から使えるという儚さ。
公務員なんて嘘でも選ぶかどうかを考えるそのずいぶん前に、文芸部に入るか考えろと23年前の自分に言いたい。

無責任でいられる尊さ、そのあと少しの余白。
それは卒業までの1年か、大学生を経て社会に出るまでの約5年か、はたまたその先ずっとか。
結婚について考えている男の子が2人もいて、何人もが仕事への夢をもう見つけていて、なんだか立派だなと思っただなんておれは、ふざけてる。そうじゃない。

こんなにみんなが無責任でいられる場所を見つけたい、装ってるだけでちゃんと考えてる人たちで。

ヨシノリくん、ひとり前を走れてるだけで、もうじゅうぶんな34人とのコミュニュケーションになってたんだよ。
少しも離れた場所なんて行かなくっていい、川沿いでいいから、イオンで見かけたら声掛けるね。

のんちゃん、卒業写真は捨てられても、この映画はきっと捨てられないんだよ。
エンドロールをリセットし続けてね。



やりたいことをやれないひと。
やりたいことがないひと。

あってよかった
この映画に会ってよかった。
淡島通りの地面を見ながら泣いて水をやって歩いて帰ってる。
俗によく言われる(ということにあえて抗う)
青春ってやつなのだろうが、おれはこれを糧に終わらせてやらない。春に咲く。