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14歳の栞のMypageのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
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めちゃくちゃ中学生だったし、めちゃくちゃ埼玉県って感じだった。埼玉県の落ち着いてる中学校はまじでこんな感じ。
まあほかの地域の中学校がどんな感じか知らないけど、埼玉県のこの絶妙にふわふわした感じ。“地元”という文化がなくて、かといって“東京”という文化もない。そのなかでとりあえずひとまとめにされて“社会”というプレイだけを強いられる。だからどこの中学校も雰囲気がある程度似通ってくる。あえて明るく振る舞うやつとか、ちょけてコミュニケーションとるやつとか、なんとなく気の合う仲間ができなからといって引け目に感じてるみたいな雰囲気出すやつとか、友達いないんで、みたいなポーズ、周りに合わせて自分を殺せば友達できると気づいた、とか、そういう相対的なネガティヴさからスタートする感じ。なんかそこからアイデンティティが形成されていってしまうのが埼玉の県民性なのかもしれない。。

またそれが、これを観た後に渋谷の街を歩いていたら、なんかそこにいる人たちがすごくこの教室の雰囲気に似ていると思ってしまったし、だから自分は渋谷を歩くのが好きではない。

中学生の声っていうのはしかしとにかく魅力的でずっとドキドキする。
中庭でふざけて追いかけっこをする男子たちを見ている女子が「はやーい(棒読み)」と言ったり、「これから2人1組で手押し車をするの。だけど1人いないの」とか、「嫌いです。自分のことは嫌いです」とか、なんか変な給食のメニューを校内放送で読み上げるとか、とにかく全部ツボ。
小学生の声っていうのはだいたいなにか大人の声を真似してる感じで面白くないし、高校生の声っていうのはやっぱりカッコつけすぎで面白くない。中学生の声ってほんと面白い。
まじであのころ何を考えていたんだか、わかるようでわからないし、でもいまもみんな同じようなこと考えているって気もする。

中学生を中学生として撮っていたのでそれは安心した
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