のあくろ

14歳の栞ののあくろのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.5
面白いとかそういうレベルを超えた奇跡的で圧倒的な映画。

35人分の人生を垣間見る濃い内容で自分の中学時代と重なるところやそうでないところを考えながら鑑賞する。まさにキャッチコピー通り、自分が話すことが少なかったあのグループの人たちは何を考えていたのだろうと想像したくなる。同時に運動部に属さずマイナー部活にいた自分はどう見られていたんだろうとも。その世界の楽しみ方や生き方は人それぞれ。自分はあまりなかった家族との団らんやシーンは少し羨ましく思った。

とても儚く、戻りたいと思える日々の断片。結局今このときも5年後には懐かしくなるのだろう。登場人物全員を知っていくので、同じ画面でも理解度が変わる面白さ。それはつまり各人全員に人生があるという当たり前のこと。そう思っていまこの瞬間と日々を一生懸命全力で生きようと思ったし、今まわりにいる人たちを大事にしようと思えた。
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