INDY82

Arc アークのINDY82のネタバレレビュー・内容・結末

Arc アーク(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

スクリーン8 I-6

Arcは不老不死を望みながら、かつて捨てて今は自分より老いた息子に、自分の人生を生きろと諭される。

1秒先の彼女では、人よりも早くセカセカと生きてしまう彼女に、人よりもゆっくり生きる彼が、立ち止まること、自分を愛すること、そうすることで見えてくる自分を本当に愛してくれる人を気づかせてくれる。

Arcは圧倒的な美しさ。前半は虚実的で寂しげな美しさ、後半はモノクロで島に生きる人たちのシワの寄った美しさを、最後は倍賞千恵子、中村ゆり、芳根京子という親子3代のそれぞれの年齢の美しさを、美しさが歳を重ね老い、代替わりしていくことの尊さを表現している。命に限りがあるからこそ、その瞬間瞬間を懸命に生き、それが尊い。

1秒先の彼女は、徹底したユーモアで、生き急ぐこと、時間に追われること、時間を追い抜いてしまうことのもったいなさ、ゆっくり立ち止まることで見えてくる瞬間瞬間のおかしみ、人生のいとおしさを表現している。

どちらも限りある命を一瞬一瞬じっくり味わうことの尊さを、片方は美しさ、片方はユーモアで描き切る。
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