このレビューはネタバレを含みます
主人公のどうしようもないこじらせっぷりに何を見せられてるんだという気持ちになるけど、なるほどそう転ぶのか。シャブロルとロメールの作品は初期の段階ではかなり似ていて、しかしそれぞれのらしさは処女作にしっかり刻まれている。セーヌ川のあの場所は『フランティック』や『聖なる酔っぱらいの伝説』を思い出す。ポンヌフのシーンは『ポンヌフの恋人』も想起するけど、オルミやカラックスが参考にしたのか、それともセーヌ川沿いがもともとホームレスが集まる場所としての記号なのかはちょっとわからなかった。