もたさんの映画レビュー・感想・評価

もた

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階級関係 -カフカ「アメリカ」より-(1984年製作の映画)

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ストローブ=ユイレは全然見てないけど、切り返しに違和感があるのはカメラポジションの問題か。ドキュメンタリー的と言うか、演劇的と言うか、独特の演技にカフカ原作の他の映画も想起したけど、難解さが強いと思っ>>続きを読む

たそがれの女心(1953年製作の映画)

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脚本が素晴らしい。夫からもらった耳飾りをこっそり売り捌こうとするもバレて、という序盤の立ち上がりの部分でも、ゴマすりの宝石商とか癖の強い使用人とか出てきて豊かに展開する。それにしてもデ・シーカって俳優>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

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『コクソン』イメージしてたら、モキュメンタリーだし、終盤でファウンドフッテージものだともわかる。「ファウンドフッテージ=低画質」みたいなのも今どきリアリティないのかと思わせる綺麗な画質。と言いつつ意識>>続きを読む

ある女の愛(1953年製作の映画)

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いつもの如く「いつ恋愛の話になるんだ」と思った。離島の病院を引き継いだ若い医師の奮闘劇というDr.コトー的設定だけど、当人が女性で容姿端麗というだけでちょっと話が変わってくる。

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

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チャーリー・カウフマンやコーエン兄弟を想起させる展開。「主観に頼るしかないのであれば芸術を評価するのをやめるべきか」の答えがノーであるなら、この本を駄作とみなせることの妥当性ってないような気がする。作>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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今更ながら。なんで錦糸町の朝イチとかでやってるんだと思ったらスカイツリー周辺が取り上げられてるのか。東京を舞台にしておきながら、喪失の物語になっている点で、『アメリカ、家族のいる風景』ぶりくらいにちゃ>>続きを読む

誘拐魔(1947年製作の映画)

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シオドマクのリメイク元は見てない。ヒッチコックみたいな冒頭の影の演出にわくわくしたけど、ちょっとコメディ風の緩さが微妙に感じた。

夏物語(1996年製作の映画)

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ロメールにしてはかなり常識的な恋愛だった。男性が主演で、しかも三股ものというだけで拗らせそうな展開が見えるのだけど、意外に4人とも共感できる。でも3人を選択肢として残しつつも今カノへの態度が完全に前の>>続きを読む

素晴らしき放浪者(1932年製作の映画)

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最高。ぶっきらぼうなカメラポジションやら、故意としか思えないミシェル・シモンの失敗やら、本当にただ消えただけの犬やら、演出的にも演技的にも作劇的にもとてもおおらかで心地良い。

ヨシワラ(1936年製作の映画)

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20世紀を描いてるとしたらそもそも文化が滅茶苦茶なのは置いといて、日本の表現としては頑張ってる気がする。琴の音がおそらくギターで再現されていて、他に似た音を出せる楽器がないかと考えてしまった。

無謀な瞬間(1949年製作の映画)

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ラングの映画とはまるで趣が違うジョーン・ベネット主演のノワールで緊張感を高めるカメラワークも見れてめちゃくちゃ面白いのだけど、オフュルスの映画として見てしまうと若干物足りなく感じてしまった。主婦が主演>>続きを読む

笑う相続人(1933年製作の映画)

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急死したワイン会社社長の甥であり若手営業マンの元に相続権が転がり込む。しかし条件は「1ヶ月間酒を飲まないこと」。この手のやつはどうしても予定調和になるし(『55年夫妻』もそうだった)、飲む飲まないの駆>>続きを読む

悲愁(1979年製作の映画)

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『サンセット大通り』ちっくなワイルダーの最晩年の作品。中盤からえーというような展開が始まり、酷い話だな(作品の出来ではなく)と思った。あと実在の俳優の名前を使うメタなギャグが多すぎる。モーリス・シュヴ>>続きを読む

ろくでなし(1934年製作の映画)

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ワイルダーだから演出が野暮ったいというか妙に軽い感じ(あるいは安っぽさ)があるものの、彼がフランスで犯罪グループを題材にしたプレヌーヴェル・ヴァーグ的な作品を撮っていたという事実に驚く。日本でいう中平>>続きを読む

シナのルーレット(1976年製作の映画)

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久々にファスビンダー。恐ろしい、というかモラル的にもいっちゃってる感じがする。そしてブリギッテ・ミラの顔怖すぎ。黒沢清は『蛇の道』でこの杖の少女を参考にしたのかな。

クレーヴの奥方(1999年製作の映画)

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あまり乗り気ではない結婚をした後、(実在のアブルニョーザなる)中年ミュージシャンに恋した美しい人妻が周りの男を不幸にしながら自らも葛藤する。確かに古典的な感じはあるけど、オリヴェイラの演出もなかなか癖>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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新作に関しては他にも見ないといけないの山ほどあるけど、とりあえずこれから。ほぼ滑り込み。
本当に素晴らしかった。足立智充は『きみの鳥はうたえる』のしょうもなすぎる役があったから、この「普通にいい人」が
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この空は君のもの(1943年製作の映画)

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これもなんか凄い映画だった。女性飛行士の話という予備知識があったものの、なぜか一家の引越しからスタート。娘のピアノが壊れるあたりで、「ここから娘は飛行機にシフトするのか?」と思ったら「新しいピアノどう>>続きを読む

もどり川(1983年製作の映画)

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神代辰巳の映画は久しぶりで作風とか忘れてしまったけど、それにしてもこの作品は荒井晴彦すぎる。

高原の情熱(1944年製作の映画)

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濱口竜介のお気に入りのやつ。『曳き船』と同じでアンチジャンル映画という感じがするし、ラブコメ、コメディ、サスペンス、スリラーを感じながらも、とりわけアクションがすごい。例えば仮装パーティーのシークエン>>続きを読む

春のソナタ(1989年製作の映画)

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やっぱりロメールすごいな。良い映画というか勉強になる。ほぼダイアローグだけで話が進む。要所になかなかすごい編集があったりするけど。

永遠のガビー(1934年製作の映画)

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オフュルスの映画もっと見なきゃダメだと思った。思いっきり照明の人映ってて最高。ダンスでどれくらい回転するかで、『天国の門』『踊らん哉』といい勝負。カメラまで目が回ってて最高。時間の経過は語りで処理。

鶴は翔んでゆく/戦争と貞操(1957年製作の映画)

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カラトーゾフの映画やっと(『レッド・テント』は見てたけど)。パルム・ドールも獲ったやつ。映像の凝りようがすごいけど、ちょっとうるさくて内容に勝っちゃってるような。結構しみじみとした話だからな。あとワン>>続きを読む

アメリカン・ゲリラ・イン・フィリピン/アイ・シャル・リターン(1950年製作の映画)

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ラングの戦争映画。日本軍に奇襲仕掛ける終盤は面白いけど……血の気の多さの割に展開が地味で恋愛とかもよくわからないし。ロングショットが多く画面はいい感じなのでちゃんとした画質で見たい。

挑戦(1969年製作の映画)

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ヴィクトル・エリセ以外は知らない監督。それにしても3つ通してよくわからなかった。エリセのは編集が凄いけど、彼の他の作品とテイストも違いすぎるし、やっぱりよくわからない。

55年夫妻(1955年製作の映画)

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グル・ダットのやっとやっとやっと見れた作品だけど、それ以上にいろいろと面白かった。内容としては、インドの一夫多妻制の廃止と離婚法成立を巡る55年のリアルタイムな風刺映画で、劇中では自由恋愛や女性解放的>>続きを読む

愛される方法(1963年製作の映画)

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イエジー・ハスは『サラゴサの写本』しか見てないし、時代設定もテーマもまるで違うけど、回想の繋ぎとかで思い出すところはあった。飛行機の客室で昔の男を懐かしむって春樹かよと思った。

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

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『アンブレイカブル』と『スプリット』の続編で話題になってたけど結局見逃してた。アメコミアプローチを敬遠してたような気がする。忘れてるというのもあるけど、さすがに夢のコラボ止まりで面白くはない。『サーヴ>>続きを読む

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