獅子座の作品情報・感想・評価

「獅子座」に投稿された感想・評価

まつこ

まつこの感想・評価

3.0
のらりくらり暮らしていた男が遺産が入ると知り浮かれまくって野垂死にかける話。

右側に横たわる人と左側で愛を語らう人。彼はその真ん中のちょっとだけ右寄りをヨロヨロとひたすら歩く。

働かざる者食うべからず的な格言めいた話ならもうちょっと好きになれたのかもしれないな。「いやいや、働きなさいよ(´ε`;)」とか「やっちゃうよ。あーやっぱりやっちゃったよ( ˊ̱˂˃ˋ̱ )」とソワソワしながら観ていた。絶対あの後も成長しないとみたぞ!

パリの老舗カフェが出てきてカッコイイおじぃちゃんギャルソンとあのテラスでキャッキャお喋りしたなぁとなんだか懐かしくなった。日本人だとあんまりいい扱いをされないとか言う話も聞くけどきちんと挨拶をして入れば大抵気持ちよく過ごすことができると思う。
いずみ

いずみの感想・評価

3.9
簡潔に言えば終始パリ散歩…。おばさんが死んだため遺産相続は自分だと思った男だがいとこが相続することになり、一文無しに。徐々に浮浪者へとなっていき心も体もボロボロになっていく男の様子。華やかなパリではヴァカンス中であり、友人に連絡をとってもみんな「ヴァカンス中だから」と相手にしてくれない。ヴァカンスヴァカンスヴァカンス…。そんなパリと都会から見離された男との対比がわかりやすくヌーヴェンヴァーグの訴えでもあり激しい主張でもある。終始画面は退屈だが、荒み方がえぐいジェスハ-ンがとてもいい。ひたすら朽ちていく男の様子は見ていて悲しくなる。
とにかく歩いて、歩いて、歩きまくる。靴と地面が触れ合う音が異常に印象的なのだけど、それも聞いてるうちに段々と苦痛になってくる...。
最初白々しくも思える綺麗なパリが映るけど(最近のフランス映画で見飽きた)、彼が歩くに連れて、汚いピエールに、汚いパリに変わっていくのも面白い。
彼をひたすら歩かせる力は一体なんだろうね。
taberiri

tabeririの感想・評価

3.6
閉店後の真っ暗なカフェ・ド・フロールで椅子を降ろして突っ伏すシーンが寂しくもなんとなくおかしく、どうしようもない感じが出てて良かった。
mmmcy

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5.0

ジェス・ハーンは英語なまり?と思ったら、アメリカ人で第二次大戦後フランスに帰化した人なの? アメリカから見たら「国を捨てた人」なのかな。
菩薩

菩薩の感想・評価

4.5
牡牛座?獅子座?いいえ、私は蠍座の男、毒はない、金もない、夢も希望もない。

今まで観てきたロメール作品とはまったく似通っておらず(バカンスシーズンの悲哀という点では『緑の光線』が近いのかもしれないが)、こんなガチンコリアリズム観せられたら逆の意味で生きるの辛くなってリスカしたくもなるけど、今の自分にはぴったりすぎる作品で、顔で笑い心の中で号泣した。星占いを信じるほど乙女チックでも無いが、やっぱり人生は運に支配されてるとこがあると思うし、美しさの裏には汚らわしさがあるし、光の陰には闇があるし、幸せの根元には誰かの不幸がある、これはそんな「つらたん」の部分に光を当てるような作品で、からこそ最後の御都合主義的棚ボタ着地も受け入れる事は容易である。普通から金持ち、金持ちから貧乏、そしてルンペン、そんな彼に手を差し伸べるのはやはり同じ境遇の人間で、彼はもうある意味「達してる」感のある存在であるが、人生に固執するとなるとやはり必然的に金銭と言うのが追いかけてくる。良くも悪くも金だし、金が悪い存在だとは思わないし、金が無ければ心も体も余裕が生まれないし、金があれば人より掴めるはずのチャンスも増えていく、そう金なんだ、金なんだよ…。金星に見放され、金銭運にも見放され、やることも無くトボトボ歩くしかないピエール、その靴先には穴が空き、それを繋ぎ止める紐も切れ、心に穴が空き、生きる希望も切れ、そんな彼が見つめる水面が光を放つ…。辛いよ!厳しいよ!悲惨だよ!でもこれが面白いんだからしょうがない。突然の空撮からのグーグルアースの先駆けみたいなシーンには驚いたし、やっぱり水面に浮かぶパン(?)みたいのに石当ててやっと手にしたら中に水入っててボロボロのシーンではもう辛すぎて7万本脱毛した。再び希望を手にしたピエールとあの最強ルンペンの行く末が気になるところだけど、多分こいつまたやらかしそうな気がする。
ロメールの長編第1作がこんな映画とは思わなかった。華やかなパーティのシーンとの対比から、後半ただただあてもなく歩くピエールの悲しさ。オチ付近のシーンで歌われるラインの娘の異常な迫力に腹抱えて笑いそうになった。
移動の物語。オープニングは船の視点→自転車→上層階窓への縦移動という流れで実にお洒落。かと思いきや毛むくじゃらの汚いおっさんの寝起きで面喰らう。しかしこの主人公のおっさん、ヴァイオリンが弾けたり占星術に造詣が深かったりしてロマンチック。登場人物たちの都市の移動が車でも徒歩でも丁寧に描かれる。中盤に差し掛かると主人公はひたすらの彷徨。移動の丹念な描写は、この主人公の絶え間ない移ろいのための伏線だったかもしれない。主人公は移動手段である靴を何度も直そうとする。何もかもを失い、最低限の尊厳を保つには、歩き続けるしかないのだ。そんな主人公の背後に、巨大な移動である、人を何人も乗せた船が通る。ここで圧倒的に主人公はどん底に落ち入る。果てない移動手段の終着は、ルンペンの乳母車。また、活気のある群衆と孤独な主人公の対比も実に効いている。
ズボンを下ろしての鑑賞だったが、図らずもそれがこの作中の空気の暑さや主人公のみっともなさを身に染みて感じることのできるファクターとなった。
風刺やユーモアが存分に炸裂し、とても100分とは思えない密度の詰まった構成、そして数カットではあるが小気味良いいぬの仕事もあり、素晴らしい映画だった。
ジリジリ体力と尊厳を奪っていく真夏のパリに幽閉される感じを執拗に描きつらねるSさ、良かった
延々痛めつけ続け、急展開で救済!という同時に観た緑の光線とは好対照で良かった
一

一の感想・評価

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オレvsパリの街で延々続く彷徨が重苦しくサスペンスフルで全然飽きず。くたばる寸前に顔を上げれば救いがこちらを見下ろしている。そして最後すべては神に見下ろされている。すごく好き。
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