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PASSING -白い黒人-のMOEのレビュー・感想・評価

PASSING -白い黒人-(2021年製作の映画)
3.6
【灰色の世界の白と黒】
“WE’RE ALL PASSING FOR SOMETHING.”

誰もが絶対的な答えがない灰色の世界の中で、十人十色の色彩を時に他の色に溶け込ませ、時に透明になり、時に鮮やかに輝かせながら生きている。

“Passing”として生きる黒人の存在は、大学の授業で学んだことがあるが、白でも黒でもないというアイデンティティーの曖昧さが彼らを苦しめているのだと。
生まれながらに、どの地にもしっかり足をつけて堂々と歩くことができない、という窮屈さは計り知れない。

モノクロ、正方形サイズ、定点カメラ、役者のセリフの抑揚、とてもクラシックでオシャレな画作りでした。

ストーリー自体は、正直平凡で、Passingの特性よりも、女性2人の不協和音な関係性がメインで少し残念でした。
役者の演技は素晴らしく、特にテッサトンプソンはとても上手かったです。
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