もじぱん

PASSING -白い黒人-のもじぱんのレビュー・感想・評価

PASSING -白い黒人-(2021年製作の映画)
3.7
白黒の画面で肌の色が濃淡意外わからないという映像は、すごいセンスの良いアイデア。モノクロスタンダードサイズの画面はクラシックな雰囲気がとっても素敵だ。

ルーツが黒人だけど肌が白い人もいて、そんな人はパッシング=白人になりすますことができる。それでも黒人として暮らすアイリーンと、白人になりすますクレアがどこまでも対照的。

肌の色、人種の違いなんてその程度のものとも言えるし、その程度の違いでこれほど人生が変わってしまうものとも言え、興味深い示唆に富む。
自分達を定義づけるのは何だろう?肌の色?遺伝子?所属するコミュニティ?自分の意思?など考えさせられてしまう。

アイリーンはクレアの振る舞いを見て不快な思いを募らせていくのだけど、彼女が白人だったら同じような思いはしなかっただろう。意識的に選択したかどうかは不明だが、黒人としてアイリーンは暮らしている。その平和な暮らしを破壊する異分子としてのクレア。自分にも違う道があったのかも?と思わされてしまう、こういう存在は本当にやっかいだ。
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