だま

マンディンゴ デジタルリマスター版のだまのレビュー・感想・評価

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ドロドロの愛憎渦巻くメロドラマに黒人差別と女性蔑視の描写が延々と続く。鑑賞中ずっと胸がムカムカ。でもこれがあの時代の当たり前の日常風景かと思うと余計に気が滅入る。誰も何も救われることのない容赦のなさ。ある意味では当然の結末。人間の愚かな姿にうんざりさせられる。

他より寛容に見えるハモンドもやはり根っこは同じ。彼がエレンやミードに優しく接するのは自分と対等にはなり得ない相手への優越感からではないだろうか。だが彼らの感情まで支配することはできない。見下してきた相手によって全てを失ったハモンドの最後の表情は驚愕か絶望か。

エレンが絶対的な弱者であることは間違いないが。ハモンドに愛されていることを妻ブランチに見せつけたり。ハモンドの愛を利用しようとしたり。したたかな一面も見せる。ミードもブランチに命令され仕方なくの行為ではあるが。どこか喜びを感じているようにも見える。そこが面白い。
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