空の落下地点

ひらいての空の落下地点のネタバレレビュー・内容・結末

ひらいて(2021年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

原作と違って鑑賞者を試す内容になってるので、賢い人は原作を読まずに観た方が面白いかもしれない・・・ってここに書いても意味ないか。


あの時、たとえは愛ちゃんにキスしたか?
最後の台詞は、少しでも不純な意図を含むか。
私たちは、 愛ちゃんを、たとえを、信じる必要がある。

愛ちゃんが覆い被さった時に窓越しに陽が差してて、それが後光みたいだった。原作の装画、やっぱり「神」なのか。神様が人間になる映画。
原作では「悦ばされる方にはまわりたくない」と言う愛ちゃんが、下になって髪を撫でるシーン、ここがめちゃくちゃ重要。これだけで映画化の意味がある。階段や窓から美雪やたとえを見下ろすシーンが多いし、立場を対等にするという意味でも、前述のシーンは良かった。そういえば最後も見上げてるなー。
ダンス発表をサボった愛ちゃんが手を引いて先導するシーンがあり、でも終盤には逆に美雪が手を引いてる。

赤くて“止まらない”暴走自転車に最後の方、乗ってなかったな。

〈I’m happy when You're happy〉
たとえだけに向けられていた愛情が同性の美雪にも向けられるようになって、多田とミカの関係にも偏見が無くなって、愛ちゃんも、ひらいた。
原作では展示が桜じゃないから解らなかったけど、そう言えば、鶴を開く→鶴が咲くとも解釈できる。

名前が美雪、白雪姫を意図した口移しだとしたら、何から目覚めたんだろう。愛ちゃんから美雪へジュース、美雪から愛ちゃんへインスリン、互いの要素を交換し合った。あの煩い目覚まし。美雪は臆病から目覚めて、愛ちゃんは利他へ目覚めた。
空の落下地点

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