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ひらいてのchiyoのレビュー・感想・評価

ひらいて(2021年製作の映画)
3.5
2024/3/9
地味なクラスメイト・西村たとえに片想いしている、明るくて校内で人気者の木村愛。原作が綿矢りさなこともあって一筋縄ではいかないだろうと思っていたら、予想の斜め上を行く拗らせっぷり。が、それが綿矢りさの醍醐味でもある。愛の行動に理解も賛同も出来ないものの、何故か嫌いにはなれない。むしろ、真っ直ぐさと貪欲さを純粋に凄いと思う。そんな愛演じる山田杏奈と、たとえの彼女・美雪演じる芋生悠。まるで正反対な二人のベッドシーンは、恍惚と罪悪感が入り混じるような不思議な感覚に陥った。そして、たとえと美雪から全否定と言ってもいいくらい容赦のない言葉を浴び、何も手につかなくなった愛の姿が痛々しい。ただ、愛とたとえは結局のところ似た者同士で、今後は二人ともが美雪を欲するようになりそうな気配も。その辺りが気になるので、原作小説も読んでみたい。
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