かんさか

エル プラネタのかんさかのレビュー・感想・評価

エル プラネタ(2021年製作の映画)
2.9
貧困をテーマにした映画は数あれど、自己顕示欲や消費欲に根差した貧しさを扱うという点では稀有な作品。

そのテーマの特質上、ハイブランドな衣服が映し出される場面が多いが、ほとんどモノクロで進行する本作では、そのような華美な衣類の魅力を感じることが難しく、映画を「単なるファッションショーにはしない」という演出上の工夫が感じられる。

ラストシーンの社会派ニュースの報道場面ではじめてカラー描写がなされることである種のカタルシスを感じると共に、映画の中心人物の非社会性が浮き彫りになる構図が秀逸だった。

追記
・監督、制作、脚本、衣装は全てアマリア・ウルマンが担う
・撮影地であるスペインの気候の関係上、自然光を綺麗に取り込むことが難しく、予算の都合からモノクロで撮影された

https://youtu.be/5pmDd-uao1s
かんさか

かんさか