このレビューはネタバレを含みます
いつもどおり骨太のシェリダン節で、淡々と無慈悲に人が死ぬが、過去作よりは幾分ソフトに。対決構図も善vs悪でシンプル、盤面がひっくり返るようなことはない。それでも終始身構えていたし、先の見えない展開に興奮させられた。役者陣も実力派揃いでみんな素晴らしい。さすが。全員好き。
ただ「ボーダーライン」や「ウインド・リバー」にあった、観賞後にずっしりと残るしこりのようなものはなかった。シェリダン作品にいちばん期待しているところなので肩透かしを食らった感じ。
それと作品自体には関係ないが、原題がthose who〜なので、追跡者や黒幕のことに加えて、”人を殺したいと思ってるのは人だけ”って意味も込めたダブルミーニングになってるはずなのに、邦題にはまったく反映されていない。山火事が舞台装置として真に効果的だったとは言えないが、人の無力や愚かさを説く役割はあったのでは。