セルジロベルト

カビリアの夜のセルジロベルトのレビュー・感想・評価

カビリアの夜(1957年製作の映画)
4.7
今作は特にニーノロータの才能に驚かされる。
崇拝するほど好きなフェリーニの映像だけど、音楽でやはり格が上がってる。

この華やかさ。
何がここまでフェリーニを構成したのか。
イタリア、サーカス、色欲、嘘、ジュリエッタマシーナ。

俳優の家のベッドで寝る女に掛かる毛布のシワにヨーロッパの美術を見た

ネオレアリズモの潮流にいながらこの底抜けの退廃。
明らかに影響がある中でこの作風は時代に囚われないフェリーニの強い個性を感じる

催眠術のシーンは本当に美しかった。
哀しいのに愛に溢れてる、なんとも忘れがたい

らしい美術はやはり「8 1/2」だけど、この人間愛に溢れたフェリーニもとても良い

ラストシーンのカビリアの表情にそれまでの人生を凝縮したような微笑みを見て、凄い女優だと感じた