カビリアの夜の作品情報・感想・評価

「カビリアの夜」に投稿された感想・評価

青山

青山の感想・評価

4.3

付き合っているはずの男に金を奪われ川に突き落とされる女性。流される彼女を見つけた人々が助けるが、意識を取り戻した彼女は礼を言うでもなく悪態をつきながら家に帰り、家でも悪態をつきまくりながら夜を彷徨う......。

この冒頭に、思わず「なんじゃこの女は??」と戸惑いと反感を覚えますが、実はその時点でもうヘデリコ・ヘリーニの術中にあったのです......。

彼女は娼婦のカビリア。
本作は、彼女が男に騙され嘲笑われながらも生きていく姿を描いた映画です。
演じるのはフェリーニの奥さんだったらしいジュリエッタ・マシーナ。本作で初めて見ましたが、素晴らしかったです。ぎょろっとした目と、めっちゃ動く口元。決して美人ではないですが、その表情の激しい動きを見ているとこっちまで嬉しくなったり悲しくなったりしちゃうような魅力がありました。
彼女はとにかく純粋。だから男たちに辛い思いをさせられることばかりですが、それでも泣いて、悪態をついて、また生きていく。だから、冒頭ではなんだこの女と思っていたのに、気づいた時にはそんな彼女の虜になってました。

で、それだけに後半は先が読めてしまってフライングつらみを味わい続けたあげくお約束通りそのつらみは実現するのですが、それでもまだ歩いていく彼女の姿には人生を肯定はしないまま受け入れる強さを感じて泣けてきちゃいました。

とまぁ、全体の感想はこんな感じ。ただ、そんなことより本作は細部に宿るエモさが見どころ。俳優について歩く時の嬉しそうなカビリアの可愛さよ。舞台の上でロマンスを演じる彼女の美しさよ。マリア様を詰る切実さよ。そして、ラストの2人の表情よ......。筋だけ読んだらなんてことないお話かもしれませんが、そういう場面場面の良さがえげつない傑作なんです。だから文章で良さをうまく伝えられないのがもどかしいです。とにかくみんな観て!

カビリアは男に騙され続けるけれど、可哀想でもなければ、汚れてもいない。

もう人を信じまいとするのに、それでもやはり信じて生きてしまうカビリアがラストシーンに表れていた。私達観客に向けた、素晴らしい笑顔で。
KnoT

KnoTの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の男女がじゃれ合いながら駆けているシーンがすごく好きで、その後の展開には、可哀相なのだけど笑ってしまった。

カビリア、愚かで不憫で…でも最後のあの笑顔。人間は強いね。
ニーノロータの曲は言うまでもなく素晴らしい!
Moeka

Moekaの感想・評価

4.2
気性は荒いが自立心も強くたくましい娼婦のカビリア。男に何回も騙されるもののそれでも踊り、女友達と喧嘩や戯れもし、笑って生きている。ひどい男がいっぱい出てくるように見えて優しい人も実はちょくちょく出てきている。マリア様に祈っても奇跡なんか起きない、それでも最後真っ黒な涙を流しながら微笑むカビリアのすがたは最高の人生賛歌の作品に相応しい。
まさ

まさの感想・評価

4.0
初見だったけど、フェリーニすごすぎるわ!傑作でしょ!

主演のカビリアを演じたのはフェリーニの「道」にも出演してたジュリエッタ・マシーナで、フェリーニの奥さんなんですね〜。

とにかく印象的なシーンのオンパレードだったな…
例えば聖母マリアにお祈りするシーンとその後の酔ったカビリアがマリアは願いをきいてくれないみたいなことを叫ぶのとか。あとはカビリアが舞台上で催眠術にかかるシーンとかね。カビリアはとことん純粋なんだ。ラストの展開なんかカビリアがかわいそうで思わず叫んじゃったわ。

映画ファンには一度観てほしい傑作でした。
a

aの感想・評価

4.2
人間讃歌。フェリーニの映画は生涯大切にしたいと思えるような映画ばかり。
人生賛歌というより、人間賛歌

狂った文法で語るときもあれば、正当なそれで語るときもあるフェリーニという作家に本当に魅了される

人間の強さを描いた大傑作です
sonozy

sonozyの感想・評価

4.5
『道』同様、フェデリコ・フェリーニ、トゥリオ・ピネリ、エンニオ・フライアーノの脚本、フェリーニ監督作。
アカデミー外国語映画賞、カンヌ主演女優賞他。

カビリア(ジュリエッタ・マシーナ)は仲間と毎晩ストリートに立つ娼婦。
背も低く、容姿も娼婦っぽくないカビリアですが、高いヒールなど"それらしい"演出はなし。

自分の家も持ち、気丈に振る舞い生きているが、心の中ではいつかこんな生活を変えたいと願っている。

そんなカビリアは、カネ目当ての男に騙され川で溺れかけたり、たまたま出会った俳優とリッチなひと時を過ごすも元カノが戻ってきて浴室に隠れひとり一夜を明かしたり・・悲運の日々。

一人の男性が洞穴暮らしのホームレスの人々に施しをして廻るのに出くわしその純粋な心に打たれ、何かを感じ取るカビリア。
娼婦仲間が聖母マリア寺院に参拝するのにも付き合い、祈ってはみるもののの、自分や周囲の人々は何一つ変わらない現実に自暴自棄に。

フラリと立ち寄った劇場のマジックショーのステージで催眠術をかけられ、オスカーという男性との純粋な恋の物語の世界に入り込むカビリア。
催眠が覚めると、観客たちの見世物になっていた事に怒り、劇場を出るカビリアに、オスカー・ドノフリオという会計士をしている男が声をかける。

男性には疑心暗鬼のカビリアだが、オスカーの執拗なデートの誘いや真摯な姿勢に惹かれ、オスカーからの結婚の申し出を受け、やっと来た幸せに歓喜するのだが・・

フェリーニの伴侶・ジュリエッタ・マシーナの愛嬌&エネルギッシュ&哀愁溢れる演技力。
ラストのカメラ目線で観客に語りかけるような笑顔。読後感。

初見でしたが、素晴らしい名作ですね。
ジュリエッタ・マッシーナ~♪いいですね~
映画「道」が彼女が33才の時の公開で、今作は36才の時...
今作では男に騙される娼婦の役、見事でした。「道」のジェルソミーナとは全然違うカビリアという女性...普通に幸せになりたいだけなのに...とにかく切ないのです

男に川へ突き落とされ、お金を取られる、とんでもない話から始まり、たまたま入った小屋では催眠術をかけられたり、人の良いところを見せますが、結局、騙される側の人間なんですよね。

途中でスターに拾われて一夜を明かすシークェンスも挟まれていますが、これまた人の良さが感じられる話で、嬉しそうなカビリアの表情が素敵でした。あと、彼女のダンスシーンが度々あるのもいいですね~。
そして、どんなに酷い目にあっても、きっと立ち直っていくんだろうな~って思える強さがあるのもいいんですよね。

ちょっとおバカな役が多いけど、子供のように純真で、見ていて飽きない可愛いコメディエンヌ、だけど彼女の存在感、そして切なくさせる演技、大好きです。
まどか

まどかの感想・評価

3.8
素直過ぎると不幸になるって、世知辛い。
純粋なカビリアが不憫。

クラブのシーンに関しては、スイートチャリティのが好き。
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