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トロピック・サンダー/史上最低の作戦のAKのレビュー・感想・評価

3.1
ベン・スティラーが大好きなので『トロピック・サンダー』を見たけど、まぁこれは『キングスマン』とは比べ物にならないほど「超えちゃいけないライン」(ブラック・フェイス、ホモフォビア、蔑称連呼)を超えまくってて腹よりもを頭を抱えてしまった。これは意図的なのか単純なPCのゆるみなのか、なかなか判断できないから、批判もやむなしだと思う。もっとわかりやすく批評的スタンスがあると安心して笑えるんだけど。

ベン・スティラー、ロバート・ダウニー・Jr、ジャック・ブラックが出るのは知っていたが、ニック・ノルティ、マシュー・マコノヒー、極めつけはトム・クルーズがメインキャストの一角を占めていて驚いた。まぁしかしくだらない映画だった。

ちょっとだけ真面目に考え、本作を擁護したい。公開年2008年というのはデニス・ジョンソン『煙の樹』の刊行翌年で、ベトナム戦争をポスト・イラクの新たなフェーズから書いてアメリカが再度ベトナム・シンドロームに取り憑かれていることを書いたわけだけど、ベトナム戦争映画(地獄の黙示録、フルメタル・ジャケット、プラトーン)をパロディにしまくった本作もまた当然ポスト・イラクの観点から観れば、徹頭徹尾の馬鹿らしさがそのまま「失敗したベトナム戦争の失敗したリメイク」というメタ・メッセージを発している、と擁護することも可能だ。ちょっと厳しい気はするけど笑
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