濱口監督自身による脚本の短編3つの連作です。短編集映画を観るのは数少ない経験ですけれど、非常に濃密であり細部にまで配慮された素晴らしい映画体験でした。小さなお話しだと思います、どれも。ですが、物凄く丁寧に積み上げられ、自然に見える演技で本当に素晴らしいです。
映画が好きな方なら是非のオススメです!で、以下蛇足ですが、少しだけネタバレ無しの感想をまとめてみたくなりました。
第1章 魔法(よりもっと不確か)
モデルのメイコは現場を終えてスタイリストであり親友のツグミとタクシーに乗って帰宅するのですが、その車内でツグミは急に最近出会った男性の話しをし出して・・・
第2章 扉は開けたままで
大学のゼミで突然土下座をする男。教授と思われる男は、扉は開けたままにしておくように指示するのですが・・・
第3章 もう1度
数十年ぶりに同窓会に出席するために仙台に来た女は同窓会では特に会いたい人がいなかったようで、失意のうちに仙台駅から帰京しようとエレベーターに乗るのですが・・・
どの作品も、役者の演技、脚本の素晴らしさ、会話の妙、関係性の移ろい、大変細やかな配慮がなされた傑作だと思います。そしてこの3章に同じように大きく根底で流れているのが「偶然」と「想像」です。凄いタイトルと短編集にしようと思った濱口監督が本当に凄い。
基本的にはエリック・ロメールっぽいとしか言いようがない会話劇です。どの作品も、です。
久しぶりにエリック・ロメールが観たくなりました。パリのランデヴーについて思い出しました。
ネタバレあり感想は、コメント欄にて。