それぞれの体験から基づいた想像で構成されていくストーリーの具体性と、まるで答え合わせかのような偶然の重なり。
展開の仕方が惹きつけられる。
カメラワーク、台詞、会話のリズムとか、鑑賞者（私）までもその場面にいて横でうんうんと相槌をしてしまいそうになるほどの距離の近さを体感した。しかもその体感を実感したのは、作品を見終わって映画館を離れたときに、なぜか友達とバイバイした瞬間の感情とすごく似ていたということ。楽しさや嬉しさの余韻を続かせようとしつつも、対話していたあの空間が急に消えた孤独感やさみしさがあって、あ〜私も魔法かなんかであの作品の一部になっていたんだなあと。
この作品のタイトルにある『偶然と想像』の「想像」には観客による＂想像＂があってこそ成立できる作品であったという印象と、「なるようになる」っていうよりかはすでに「なるようになっていた」という偶然を想像させた認識のあり方のほうが今はしっくりきている。
