1話目、女の子がたたみかけるように話す映画がすきです。豊劇のおこた席でみた。休館前、学生最後の駆け込みでした。ドライブ・マイ・カーより断然よかった。ホン・サンスぽいし、となるとやはりロメールも彷彿とさせるよね。
偶然への違和感、たまたまという言葉はその答えに辿り着くまでの過程を蔑ろにしているようで居心地が悪い。わたしはあなたのことが好きで、あの人のことも好きだった。あなたはわたしのことを好いてくれていて、あの人はわたしのことを愛していた。全ては必然だと自分を納得させてしまうのはわたしの理屈っぽさゆえかもしれないけれど、どんな結末だってそうなるべきだったし、善し悪しに関わらずその答えを受け入れざるを得ないのだから、やっぱり偶然よりも必然の方がわたしを支えてくれるような気がする。それでも、この先もっと広い世界に偶然だと信じて疑わない出来事があるのかもしれない。あるといいと思う。わたしはわたしのことがわからないし、純然たる偶然を信じられるほど生きていない。あなたを通してわたしはやっとわたしの輪郭を見ることができる。もしかしたらあなたもわたしを通して自分の輪郭を見ていたのかな。そうだったらいい。偶然と想像、それらはきっと願い。
