機械的で平坦な発声と会話の間が妙に心地良い。
抑揚のない発音だからこそ、言葉の意味について深く考えることができた。
発せられた声が、書記素となって、脳にダイレクトにインプットされるような。
まさに"偶然"と"想像"な話集なんだけれども、その"偶然"、そこからの"想像"がそれぞれ良かった。
とりわけ印象に残ったのが第一話で、古川琴音と元カレの会話劇に自分の過去を見た、というか私という人間を古川琴音が演じているのではないか、とすら感じた。
口の気持ちよさだけで言いたいこと言いまくって人をグサグサと傷つけるのはやめよう、と客観的に見られたことで、思った。