爆裂BOX

毒蜘蛛タランチュラ・死霊の群れの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.2
毒グモタランチュラを乗せた飛行機が小さな田舎町に墜落。逃げ出したタランチュラは住民達を次々毒牙にかけていく…というストーリー。
「いちご白書」のスチュアート・ハグマン監督による毒グモパニックホラーです。
エクアドルからコーヒー豆を密輸していた飛行機の中に、コーヒー豆に紛れてタランチュラの群れが侵入。燃料切れとパイロットがタランチュラに噛まれたために飛行機はアメリカの小さな田舎町に墜落。事故現場から町へ逃げだしたタランチュラによって、次々と住民達が死んでいく、という内容です。
1970年代後期に製作されたTVムービーですが、田舎町が舞台になっている事と70年代らしさもあってか何処か牧歌的な雰囲気ある作品でしたね。
コーヒー豆に紛れ込んで田舎町に来たタランチュラの群れが餌になるオレンジにつく昆虫を狙って移動し、住民達が噛まれて死んでいきますが、登場するタランチュラは全て本物使っています。最初のうちは2、3匹くらいですが、後半ではワラワラと出てきます。といっても12、3匹くらいですが。タランチュラの毒性は人死ぬほど強くないのは結構知られてますが、本作に登場するのは厳密にはタランチュラではないらしく、作中では「バナナスパイダー」こと猛毒を持つクロドクシボグモだと言われています。クモもまあまあ気持ち悪いですが、個人的には最後のクモを集める為にクモのエサとして用意されたコオロギの群れの方がキモかった。
ただ、低予算のTVムービーという事もあって全体的に地味なんですよね。序盤で墜落した飛行機から漏れ出したガソリンに引火して爆発するシーンもありますが、肝心のタランチュラの襲撃シーンは噛まれた人達が「うわぁ!」とか「キャー!」と叫んで倒れるくらいですし。噛まれた傷口が腫れて灰色になるくらいでグロいシーンは微塵もありません。犠牲者数も10人行くか行かないかくらいですしね。不倫カップルの女の方が噛まれて斜面を転がり落ちるときに、斜面に生えてる木に頭ゴンッ!とぶつける所は明らかにガチのアクシデントなのでちょっとビックリしました。ぶつけた所赤くなってるし(笑)ヒロインの弟のシーンは結構ビックリしました。そんなアッサリ!?と。
エクアドルからコーヒー豆を密輸するパイロット役で、カーペンター映画の常連のトム・アトキンスが出演しています。
ラストのクモの退治方法も、クモの弱点利用しながらのリアルな物で面白かったですね。画的にはとても地味だけど(笑)不倫野郎リッチーが余計な事して主人公達が工場に閉じ込められて危機に陥るも、これも割とアッサリ脱出出来ましたね。オレンジの収穫が遅れる!と文句言ってた町長も、結構作戦の時には協力して頑張ってましたね。まだ、クモ退治は終わってないけど主人公達は脱出して一段落な終わりや、その後のエンドロールで騒動が終わった後の町の様子が流れる所も牧歌的な雰囲気あって、妙に好きでした(笑)
全体的には地味なYV映画ですが、そこそこは楽しめました。タイトルの「死霊の群れ」は最後まで見ても意味わかりませんが(笑)