キャスト7人（ほぼ4人）、1つの場所、背景音なしという極限の状態で、息つく間も無く2時間があっという間にすぎたものすごい映画を見た感覚。
正反対の立場で息子を失った2組の夫婦が、丸いテーブルを介してただ話すだけの物語。事件の場面やお互いの息子の映像は一切映らないのに、彼らの語りを聞くだけでありありと頭の中にその情景が浮かんでくる不思議な感覚。
10人を殺し、愛されるべきではない息子をそれでも愛し続けていきたい加害者側の
両親の演技が痛い。そして被害者家族の方も、ただ恋しいという最後の演技に胸がいっぱいになった。
終始教会という場面での描かれ方も、どうしようもないこの世界の中で救いを求めようとする人々の物語というイメージでとても良かった。きっとアメリカで頻繁に起きている銃乱射事件から着想を得たんだろうな。地味な映画だけど、めちゃくちゃ面白かった。
