まちなか

対峙のまちなかのレビュー・感想・評価

対峙(2021年製作の映画)
3.9
#546 『対峙』

見ていて辛いなぁって思う作品はあんまりない。つまんないじゃなくてね。

これから観る人は予告編も見ずに見に行った方がいいかも。

アメリカの学校で起きた銃乱射事件。
その加害者の家族も被害者の家族が対峙して交流を図る。

どちらが加害者でどちらが被害者か、
観ているうちにわかってくる。
話の筋を読むうちに徐々に明らかになってくる事件の概要。
それぞれの家族が抱える悩み。

なぜ、事件は起きたのか。
誰が悪いのか。

背景は?家族は?友達は?

銃社会における悲劇という、
いまも起き続けるアメリカの陰部。

この4人の家族は全員が素晴らしい演技で観るものを圧倒しています。
ほぼずっと一つの部屋で物語が進行し、
一つの部屋で物語が終わる。

あとはずっと重い。
部屋を支配する重苦しい空気が、我々観客をも苦しめる。
冒頭のちょっと鬱陶しく感じる当たり障りのない日常すら、懐かしく感じるくらいの重力。

ギブアップ寸前で、堰を切ったように詰まっていたものが溢れ出てくる。
苦悩、憎しみの応酬。
涙なしには観ることのできない作品。

オススメです。
まちなか

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