ルーマニア人の歴史やユダヤ/ロマとの関係性をはじめとして、とにかく事前知識がないと理解出来ない部分が多く、それに紐づく皮肉や暗喩も観ていてさっぱりだった。
第二部で建前上の「知識の共有」はあるものの、説明一つ一つの関連性が分かりづらく、さらにこの映画のテーマでもある猥雑めいたユーモアも挟み込まれるため、いまいち頭に入ってこなかった。
また第三部の議論パートは、会話ごとに論点が異なっていく為、理屈っぽい人やロジカルな議論が好きな人だとめちゃくちゃモヤモヤすること間違い無し。
マルチエンディングという箱組自体は面白いものの、終始フラストレーションの溜まる作品だった。