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死ぬほど愛してるのArkのレビュー・感想・評価

死ぬほど愛してる(2013年製作の映画)
3.7
2023-47
大都会ベルリンで大学の法学部に通うマーティンは、大学の近くでそこそこの部屋はどこも契約済みでなかなか部屋が借りられず、車中泊で暮らしていた。ある日、男から部屋を紹介され入居を決めるが、知らない間に狂気に満ちた“ゲーム”に巻き込まれていく。


私は普通におもしろかった。
本作は多分内容を知った上で観ても問題ないと思われる人怖サスペンス。知り過ぎるとおもしろくないけど。

レビュー70人目、ラッキーセブンGETです。

ネタバレ↓


車中泊で生活していたマーティンのもとに、排水溝の下から空き部屋の情報が舞い込んでくる。声の主はホーンという老人。紹介された部屋はロバートという男が住んでいたようだが、彼が置いていった物が散乱しゴミだらけ。しかし車中泊よりはマシなので入居することにする。ホーンによれば、その部屋は前は大きなアパートだったのを2分割しており、マーティンの部屋の隣は大家シモーネの部屋らしい。部屋の中には大きな穴があり、声が筒抜け。

シモーネはノーブラのシャツ1パン1でマーティンを誘惑し、まんまと誘惑に乗ったマーティンとコトを終える。
シモーネにはセバスチャンという彼氏がいて、いつも全身黒ずくめで革製ロングコートを着ているなかなかにヤバそうな男。

マーティンはセバスチャンに強く問い詰められ、シモーネと初対面の日から2、3回ヤッたことを白状。
その日の夜、シモーネの部屋からシモーネとセバスチャンが言い争う声と揉み合う音が……。それ以来パタッとセバスチャンは姿を消した。
シモーネは彼が計画していた通り「ケープタウンに行った」と言うがどうも怪しい。シモーネの部屋に忍び込んで、マーティンはアート作品にされて黒い何かに埋められたセバスチャンを発見。

すぐにシモーネにバレて軽く刺されるが落とした包丁を拾って刺し、シモーネは死亡。その間際に「セバスチャン」と言い残す。


本作の雰囲気はサスペンス。
部屋を借りるが、大家とその彼氏、紹介してくれた老人ホーンがなんかおかしい。しかし主人公はなかなか気づかず、誘われる度にシモーネとヤる。死に近づいているとも知らずに……。
途中でインドに行っていたというロバートが帰ってくるが、どうやら彼は退去したわけではなかった模様。彼は「最初は気づかない」「この街はおかしい」とマーティンに言い、これっきり登場しない。

アマプラのコメントにあった考察によると、シモーネには彼女なりのルールがあり、それに則って殺害しているらしい。愛の深さに比例して殺害方法の残酷さも増す。セバスチャンがマーティンに「シモーネと何回ヤッた?」と問い詰めたのは意図がありそうな雰囲気があったが、シモーネと関わると死ぬか死にかけることになるため、余計な犠牲者を出さないために、そしてマーティンの身を案じて訊ねたというわけだ。

注目されてない作品だけど、イメージしていたより断然おもしろかったし役者陣も演技も良かった。クソ汚ぇボロ部屋、セクシーで怪しい大家、何かに必死な彼氏。終始不穏な空気で、この気持ち悪さが好き。
考察を読まければ消化不良になってたと思うが、読んでから振り返ると筋が通っていてスッキリする。

最後のあたり、自分的にはもっと血があってもよかったかな(笑)グロくないです。役者のリアクション含め、リアリティもそんなにないです。でも別に問題ないです。

マーティンの着信音めっちゃよく鳴るけど、ドイツらしくトルコ行進曲なのが個人的に好き(笑)
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