みおこし

フィニアンの虹のみおこしのレビュー・感想・評価

フィニアンの虹(1968年製作の映画)
3.4
フレッド・アステアにとって最後のミュージカル出演になった作品。若き日のフランシス・フォード・コッポラがメガホンを取り、巨額の制作費を使って撮影されたとのこと。

アイルランド人のフィニアンとその娘シャロンが、金の壷を抱えてレインボー・バレーにやってきた。これをその地に埋めれば金持ちになれると信じてやまないフィニアンだったが、実はその壷は、願い事を3つまでかなえる不思議な妖精の壷で...。

おじいちゃんになったアステアですが、軽快なステップは衰え知らず。彼を真ん中に、レインボー・バレーの住民たちが踊るマスダンスが圧巻でした。
1960年代後半はミュージカル黄金時代の終焉を物語る時期でもあるため、大掛かりなロケーション撮影が敢行されていた模様。セットを飛び出して、太陽の下で軽快に踊るアステアを見るのはその意味ではかなり新鮮でした!
ペトゥラ・クラークの歌う楽曲もどれもどこか切ない印象の、綺麗な曲ばかりで癒されます。バレリーナの雨の中のダンスも綺麗でした。

その一方で、妖精オグ役のトミー・スティールのちょっぴりオーバーな演技や、人種差別をテーマにしたちょっとシビアな内容は少し親しみづらかったのが本音...。
ストーリーも微妙だったのはミュージカルあるあるですが(笑)アステアのダンスを観られる意味では良い作品でした。
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