ツクヨミ

明け方の若者たちのツクヨミのレビュー・感想・評価

明け方の若者たち(2021年製作の映画)
2.8
輝いていたあの頃は明け方というマジックアワーだった。
以後地の悪い飲み会で出会った彼女と僕の大切な時間。2人は徐々に距離を縮めていく…
彼女と過ごした時間を綴るサブカル系恋愛ドラマ。今作は2012年から2016年までを恋愛を主軸にして主人公主観で見ていく話で、最近流行りの"ボクたちはみんな大人になれなかった"や"花束みたいな恋をした"に代表される恋愛サブカルエモ映画の類だ。若い主人公が女性に恋をして楽しく遊んでいく過程を当時のサブカルとともに映していき唐突にその幸福が別れとともに終わる。ザックリした内容はそんな感じであるが、今作は中盤に挟まる強烈な事実がどんでん返しのような働きをし、映画的な驚きが作品を面白くさせていた。その点に於いて同ジャンルにおける差別化を本作はできていると言える。
そして今作はタイトルにある"明け方"の描写がなんとも言えない美しさを見せており、展開的にも主人公が彼女.友人と朝まで飲んでから"朝日が昇ってこないで"と言いつつ街を駆け回る清々しさと開放感が作品にちょっとしたカタルシスを生み出している。彼らにはこの明け方の瞬間が全てだった…この感じはちょっとノスタルジックで好きなシーンになったかも。
"ボクたちはみんな大人になれなかった"よりかはパンチは弱いし正直好きというわけではないかもしれない。しかしちょっと片隅に置いておきたい不思議な魅力がある映画だった。
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