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ボーはおそれているの映画ファンのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.8
アリ・アスター4年ぶりの監督作!精神病を患ったボーの視点で展開していくブラックコメディホラー
生まれた瞬間から母親の悲痛な叫びとともに始まり、まるでジャック・タチの映画を見てるかのように妙に奥行きのあるカウンセラーと話す一連のシークエンス
冒頭からこの映画尋常ではないなと思わせるには十分な演出だった
ボー役ホアキン・フェニックスの間の抜けた演技がまた映画全体に不安感を漂わせていたのが印象的
どこまでが現実でどこまでが妄想や虚構なのかわからない部分はアンソニー・ホプキンス主演のファーザーを彷彿とさせテレビを早送りすると映画の先の展開が流れるメタ的構図はミヒャエル・ハネケのファニーゲームを連想させる
ボーに次から次へと降りかかる不条理の数々、ヨブ記を思い起こさせるものがあり実際本編でも舞台劇を通じて説明がなされている
エンドロールは暗転せずA24のロゴが出るまで画面が停止したままなのもにくい演出だなと感じた
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