ニックネーム

ボーはおそれているのニックネームのネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

ずっと、精神疾患/発達障害をもった人の生きづらさという視点で観ていたら、入り込みすぎたのか一緒にグーッとかなりバッドな気持ちで観てしまっていた。この日は疲れとかでフィーリングというか精神状態が良くなかったか、もうちょい俯瞰で観てもよかったかも。不安を煽る表現が上手く、本監督が称賛していたオオカミの家に通ずるようなニュアンスもほんのり感じた。こびり取れない嫌ぁな空気が漂っていた。最悪なんだけど、その極まった嫌さに感動、鑑賞意欲が湧く湧く。頼ろうにも結局どこにも頼れず、どこに向かえば良いのか分からず、この世界で自分だけ一人ぼっちで浮いているような、居場所を感じれない寂しさや虚しさを特に前半で勝手に感じたが、自分が小さい頃迷子になった時のあの不安と近しいなと思った(心が強い人には共感できないかもしれない)。
彼が、思い出や妄想による虚構と現実がごっちゃになっているところの表現も素晴らしかった。それらの箇所で感じた、抽象的でなんのことやら分かるような分からないような普遍性に惹かれただけに、ラストにかけての種明かしのようなところで、とても具体性があって現実から少し飛躍したストーリーに落ち着いたのが、あ、そう行くのか、しかもそんな全部教えてくれちゃうんだ と思ってしまった。勿論、あれだけ特殊性に振り切った(言い過ぎか)ことこそに大きな意味があって、具体的で限定的だからこそメタファーがあるのかもしれないけど。
あと78チャンネルのとこで、早送りで未来まで見れたのゾクっとした

考察できない癖に、意味がわからないもの を観たいという自分からすると、だいぶ意味が分かる終盤を除くと4.9くらいつけたいし、有名な前作の2つより今回の方がかなり好き