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ボーはおそれているのmanakaのネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

おそろしー…映画鑑賞というか映画体験。価値観を揺さぶる衝撃に観た後もちょっと手が震えました😭

事前にレビューを見た感じ、ひたすら不安なシーンを見続ける3時間…というものが多く、まさにその通りではあるけど少しイメージと違いました…!

最初はイメージしやすい不安が多かった(時間がないのにどうでもいい忘れ物を取りに行く神経質さ、明らかにおかしいから妄想かな、など)ものの、中盤からはこのシーンはどこまで現実?どうしてこんな状況になっているのか?ボーと同じような恐れに陥っているような感覚に…

これがずっと続くのか〜まさにおかしくなりそう😇離脱しようかな…と思い始めたところ、「不安なボー」から「観察される不安なボー」に変わったというか、終盤から観客には1段階上の視点が与えられて…どうしてボーはこんなに怯えているか?生粋のものか?生育環境に由来するのか?どうして責められてしまうのか?考えさせられる段階に進んだことでこの映画を見る目的?を自分なりに理解…なんとか最後まで観ることが出来ました。不安になるのって理由が分からないからなのか…

ボーの発達障害からくる性格の分かりづらさから母が不安定になり、母もまた愛情の与え方が分からず不安定でボーも精神疾患を発症したのでしょうか…それとも発達障害に見える、母親由来の不安障害なのか…

ラストシーンでボーが審議にかけられるシーンで、ボーを理解してくれる人は圧倒的少数で辛い…外科医の妻が自分を責めないで、と声を掛けたのは自分ではどうしようもできない原因で周囲に責められることが分かっていたからなのか…しかもその奥さんも激怒させる結果になってて救いがない…

結局ボーは周囲に責め立てられたまま終わったのが悲しくもあり、周囲の視点で見るとそう捉えられても仕方なく感じる気持ちもあり、結局解決策は分からないが、ボー側に寄り添った作品ではあるように感じました。ボーのような立場に陥ると事情を酌量してくれる味方は少数派なのが現実だろうから…ホアキンのジョーカーを思い出す、とレビューしていた方がいて納得。社会的弱者に寄り添う作品だったんですね。

本当に苦しくなる作品だったけど、こういう体験をさせるという点では監督は常人ではないのは明らかに感じました。
この後いろいろな解説サイトを楽しめるのが頑張って見たご褒美になるかな😢
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