不安になっちゃったのでアリ・アスターは責任とってください。
こんなに体感時間の長い映画は初めてかもってくらい体感時間が長かった。「お、そろそろ終わるか？」って4回くらい思った。思うたび終わらんかった。
もうほんとに訳わかんないんだけど、アリ・アスターの独特な画づくりでおしゃれと狂気がいい感じに混ざり合ってて、毒をゴックゴク飲まされる。喉越し爽やかな毒。いや別に爽やかじゃない。喉がイガイガする感じ。
個人的にはなんとなく京極夏彦の『厭な小説』を思い出した。もう何から何まで「嫌すぎるwwwwwww」って感想だった。
ただ神経症の人は世界がこう見えてるんだなあと言う真面目な気づきもあって、ブラックコメディとして消化もできないところがほんとに嫌だった。時計仕掛けのオレンジのルドヴィコ療法を受けさせられてるような気分（精神的に目を背けられないと言う意味で）。
散々言ってるけど個人的にはかなり好きな映画だった。
特にラストシーン→スタッフロール→点灯までの劇場のあの空気感と静寂は経験し難いものだった。劇場で見て本当に良かったと思う。あれ見せられたらそりゃみんなゾンビみたいにはけていきますわ。
なんとなくユダヤ人の歴史とか諸々が話に関わってそうだなって思ったけど、そのサブテーマがあのはちゃめちゃ展開にどう関わってるのか読み解けなかったのが悔しい。知識がいるタイプの映画かもしれない。
好きなシーンはお涙ポロポロおじさんと目と目が合うところと、トニちゃんが飲まなきゃやってられねえ！するところです。
兎にも角にも3時間は長いよアリ・アスター。途中で出てきたマーラ様はなんなのアリ・アスター。みんなが不安になったらいいなじゃないよ不安になるに決まってるだろこんなの。
