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ボーはおそれているのみのネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

本ッッッ当によくわからなかった。

ジャンルとしてはコメディと聞いて、「アリ・アスター/ホアキン・フェニックス/A24の三拍子が揃っててコメディなわけないだろうが!!!!!」と思ってましたが、3周回ってコメディだったような気がしてきました。ブラックコメディって難しい。

『ヘレディタリー』や『ミッドサマー』はちゃんと状況を追える脚本で、いかに観客に優しい作品だったかを思い知った。今作は分かりやすい恐れの対象がないが「こうなったら嫌だな〜」という妄想が次々にボーを襲いかかって、観てるこちらも不快感を感じる。
住んでる街の治安が悪すぎて、精神疾患を抱えるボーの妄想と現実が入り組んでいるのか?と考えましたが、どうやらそういうわけでもなさそう。じゃあ私は今何を観ているんだ??ずっとこのループでした。

母親が出てくる場面でやっと作品のテーマが見えてくる。母親の愛は必ずしも幸福に満ちたものではなく、時に子供を窒息させ苦しめる呪いであると。
ボーが住んでいた街ごと母親の監視下にあり、登場人物全てが母親の会社の従業員だった。そこまで雁字搦めにされるとそりゃ苦しいわ。

作中を通して「水」がキーワードであり、ラストシーンは爆発した船から水に落とされることで母親へ回帰した、羊水の暗喩だという考察を読んで「な、なるほど〜!」となりました。
み