ShotaOkubo

ボーはおそれているのShotaOkuboのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.6
この作品は誰かの語る夢ではなく、一種の催眠の力を借りて、わたしたち皆が一緒に見る夢である。ここで言う夢は、夢のすばらしい非論理性によってつながり合う現実の行為の連続、というほどの意味である。
ところが、この作品は、その非論理性の中でも、ふとした時にある装置の一カ所が非常にうまく作動する。それはことによったらどこかの何かに似ているかもしれないと思わされる安心を誘う。自分自身と映画そのもの、あるいは自分自身とアリ・アスターとの類似を見つけることができる。
非論理性と安心が分かち難く同居しているような不思議な世界というものが、この作品の表象性を支えているのだと思う。
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