前半の新作映画のオーディションを通して「映画」に対する人々の想いや思い込みや打算が複数人称で描かれていて面白い。
オーディション当日も希望者達の欲望がぶつかり合いカオスに。それを仕向けている
監督の中の映画作りの良心でもある前の彼女の声。
さすがに結びに向けて締まっていくのかと思いきや、撮影に入るとオーディションに落ちた面々に「人生エキストラでいいのか?」というテーマが共有され、ある種業界の慣習で作られようとしていた映画をめちゃくちゃにぶっ壊す。
随所に必要とは思えない台詞やステレオタイプな服装はこの監督の手癖なのでしょうが、総じてこの方が思う「映画愛」のような物は伝わり、感動する場面もあった。
映画とは映画監督とはと語る姿を文章等で目にする事もあったが、ご自身のセクハラ、パワハラの事案も是非映画で描いて欲しい。