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鳩の撃退法のTaulのレビュー・感想・評価

鳩の撃退法(2021年製作の映画)
2.0
『鳩の撃退法』鑑賞。原作未読で脚色具合が分からないがなかなか面白い脚本、語り口。表現巧みな小説家であり巻き込まれ型主人公という叙述トリックさえ漂う物語を、その謎めいた面白さを感じさせながら違和感なく着地させる。振り返り型の往年のフィルムノワールの雰囲気も。ただし創作の役目や哀愁といった面はあまり上手くいってない感じ。巡るお金も効果的には見せれてない。叫ばない藤原竜也はじめ適材適所のキャスティングで出しゃばらない役者陣は良かった。濱田岳の使い方、演技が一番楽しかったかも。『アヒルと鴨のコインロッカー』から彼は不可解な話しの作品が多かったのでこういう世界に馴染む。全体に分かりやすくしようとしてお行儀が良すぎだし、その割に終盤ロジカルな面白さはなく何となく良さげ風なのが残念。それと見せ場では映像的な表現でもっと弾けても良かったかも。
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