膨大な伏線を回収するに連れて、徐々に相関関係とストーリーが整理されていくタイプの作品である。そのため、伏線部分や登場人物の名前と顔を正確に覚えていなかったり、行動の動機を把握しきれなかったりと、初見では難しい点がいくつかあった。
序盤で北陸民のソウルフードである8番らーめんが映ったり、登場人物に富山県の方言を徹底させていたりと、撮影地に対する監督の拘りを感じた。しかしその一方で、役者の方言があまりにもぎこちなく、イントネーションも正確に再現できていないため、標準語で良かったのではないかとも思った。
また、有名な役者が何人も出てくるのだが、なぜかあまり上手く交わっている感じがせず、なんとも言えない違和感を覚えた。言い換えるなら、同じ作品内の登場人物というよりは、別々の作品から人気キャラクターがオールスター的に参加しているような印象を受けた。
上記の点が終始気になってしまったため、中々入り込むことができなかったが、ストーリーの本質だけに目を向ければ見応えのある作品であることは間違いない。
