すぬーぺー

茜色に焼かれるのすぬーぺーのレビュー・感想・評価

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)
4.1
泣きました。
みんな苦しんでる、頑張ってる。それはわかってる。
けど。

性的サービス従事者、バイト、シングルマザー、未亡人、いじめ。そして上級国民による事故被害。

弱者はコロナ前からずっと苦しんでる。そして、平気なふりをしている。そのうち自分が何を感じているのか分からなくなってくる。だから自傷行為はその延長線上にあるのだと思う。

被害者が声を上げると、加害者は「きも」「お前おかしいよ」と被害者がさも悪いかのように責めてくる。常套手段の描き方が上手かった。

出てくる男の人も、もう全女性「わかるわ〜」と思うくらいほぼやばい人。特にバンドメンバーのおじさん(芹澤さん)。リアリティがあり、ゾッとした。当人が見たらどう思うのか。(多分受け入れられないんだろう、そこがいけないのに)

尾野さんの演技はもちろん素晴らしいのですが、和田さんが中学生の真っ当な感じ、表情、とても良かったです。
そして最後の方は石井監督っぽくて良かったです。

個人的にはケイちゃんの父親にもやりかえして欲しかった。
被害者が対策をしなければならない世の中を、加害者側が変わっていかなければならないという世の中へ。
声をあげて良いと思う。
せーので「なめんな!」
すぬーぺー

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