Machiko

茜色に焼かれるのMachikoのレビュー・感想・評価

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)
5.0
人生における苦役と理不尽のフルコース〜他者からの明確な悪意を添えて〜って感じなんだけどめちゃくちゃ背中を押されたし元気を貰えたのは何故だろう、同じく胸糞ながら大好きな邦画「岬の兄妹」もそうだったけど主人公もその息子も苦しい状況にあってしかし絶対に生きることを手放さないからだろうか。酒に頼るしかなくても男を殺めようとせずにはいられなくても彼女の脳裏には死んで辛い人生を終わらすなんて選択肢は無くて、その滑稽なまでに「生」と「生活」にしがみつく姿が私は多分好きなんだろうな(もし尾野真千子があの包丁で自殺でも図っていたら大嫌いな映画になっていただろう)。歳も境遇も違う女性同士のシスターフッドがしつこいまでにしっかりと描かれていたのも良かった。石井裕也作品からはいつも愚直に生きるパワーを貰える、いつもありがとうございます監督。
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